2005年に新築一戸建てを建てて15年間の間に2回も住宅ローンの借り換えをした私達夫婦・・・。今思えば何故借りる時もう少し考えたり、調べたりしなかったのだろうと後悔する所が多くあります。きちんと調べてさえいればこんなにも(1回に付き何十万もの)無駄な借り換え手数料や利息を払わなくてすんだのに・・・口惜しい。せめて、今から住宅ローンを借りる方が私達夫婦と同じ間違いをしないように、あるいは納得のいく住宅ローンを選択出来る事を願って私の住宅ローンに関する失敗をお話ししておこうと思います。
今から住宅ローンを借りる方と、借り換えを検討している方が金融機関選びや金利タイプ選択の時に役に立つお話です。
私達夫婦が借りた最初のローン
夫・年齢 借り入れ時28歳
3年固定変動金利 ●●% ひと月の返済額 13万円 ボーナス無し 35年ローン
当時の年収は650万円(総支給額)
私は専業主婦 子供5歳と3歳
と言う、今考えれば無謀ともいえる住宅ローンを組みました。
失敗その1 いくつかの金融機関を比べれば良かった
住宅メーカーの担当者に薦められるがまま、比較もせずに金融機関を決めてしまった事を後悔しています。後になってもっと低い金利で貸してくれる金融機関がある事を知って愕然としたのですが、これは全て自分達の勉強不足が原因の失敗です。住宅の契約時、自分達は何よりも家のプランの事に意識が行ってしまっており、難しいローンの事は住宅メーカーの担当者に任せてしまったのです。とても大切な事なのに・・・。お金の事は人に任せずに、自分の頭で考えなければならなかったのです。今から借りる人は住宅ローンの事は絶対に自分の頭で考えて、必ずいくつかの金融機関で融資の相談をしてください。
具体的にはどうやって比べるのか
まずはネットで金利の安い金融機関を調べる!例えばこの様なサイト↓
この様なサイトで今の金利の相場や、住宅ローンに関する様々な考え方を勉強する事が出来ますので、まずは現状の住宅ローン金利の相場を知りましょう。どの金融機関の金利が低いか、どんな借り方が自分達に合っているのかをしっかりと考えておきます。
勉強をしたその上で住宅メーカーの担当者と購入資金の話し合いを行い、「3つ位は金融機関を比べたい」と言う事をはっきりと伝えておきましょう。担当者は、住宅購入の契約を取りたいので、良かれと思う金融機関をいくつか提案してくれるはずです。大手都市銀行よりも地方銀行や地元の信用金庫のほうが安い金利を提示してくれる様に感じました。ネットで借り換えを実行した人の体験談をみても大手は金利交渉において厳しい対応だったという意見が見られました。私が2度目の借り換えで金融機関の比較検討をした時は地元の信用金庫が一番金利交渉に積極的で、実際の金利も一番低い数字を提示してくれました。
そして、実店舗を持つ金融機関の中で一番低い金利を提示してくれた所とネット銀行とで最終的に比べて決める、と言う流れになると思います。
比べるとどんなメリットがある?
比べる事で、金融機関によって金利や返済プランに違いがある事に気づき、いくつかの選択肢の中から有利なローンを選ぶ事が出来ます。比べなかったら提案されたままです。
いくつかの金融機関に目星をつけたら、今度は融資可能かどうかの事前審査の申し込みになります。審査に通るかどうかは住宅メーカーの担当者にも銀行の融資担当者にもわかりません。その人の返済能力を見極めるのは金融機関の専門部署の仕事です。審査を受けるにも所定の手続きが必要で、借りる人の勤務している会社や年収、勤続年数、年齢や住んでいる地域、自己資金の割合などを基準に審査されます。審査に通り「融資可能!」となれば金融機関は貸したいのです。他に検討している金融機関があると知れば、借り手であるこちらの条件に近づくよう努力をしてくれる事は大いにあります。
実際、私の場合、2度目の借り換えの時は、借り換え検討中であることを伝え、当時契約中の銀行に交渉をした所、凄く頑張って本部に掛け合ってくれました。「変動なら〇%です!固定期間を〇年にすれば、ここまで下げます!」など、色々な提案をしてくれました。
金融機関を乗り換えると何十万円と言う手数料が掛かりますので、本音を言えば契約中の金融機関にもう少し頑張って欲しかったです。なぜなら手間も手数料も無駄になるからです。出来る限り無駄は省きたい。しかし、試算した結果手数料を払ってでも借り換えを実行した方がメリットが大きくなったので結局は乗り換えましたが、もの凄く引き止められました。
この経験からも、審査に通った人は「返済能力有=お客様」とみなされますので、他行を引き合いに出せば金利の交渉は出来る可能性が高いと私は思います。
比べなかった事で後悔している人は多い
下のグラフはオンライン住宅ローンサービス「モゲチェック」を運営する株式会社MFSが行ったアンケートです。
アンケートから30%以上の人が「もっと金利の低い金融機関を選べば良かった」と感じています。更に、14.9%の人が「不動産会社にいわれるがままに選んでしまった」とも感じています。この人たちもおそらく「比べる」と言う事をしなかった為にもっと良いプランがあったのに!と、後から気付いたのだと思います。少しの調査と勉強でこれは防げる後悔なのにもったいないです。
金利タイプについてはたびたび議論となるのでその事に関しては敏感になり一生懸命考えるのですが、「金融機関を比べて決める」と言う事はあまり触れられていないように思います。私は「金融機関はどこも同じようなものでしょ?」と思っていましたが、それは大間違いでした。借入額の大きな住宅ローンは、いざ比べてみると大手都市銀行、地方銀行、地元の信用金庫、農協、ろうきん、ネット銀行など様々ありますが、選ぶ金融機関によって支払総額に何百万円もの差が出ることは普通にあります。
前述しましたが、金融機関は貸して利益をあげる商売です、しっかり審査をして返済能力のある人には貸したいのです。候補に挙がっている他の金融機関の存在を告げれば両者融通を利かしてくれる事もあり得るので、本当に必ず比べて決めましょう。
失敗その2 金利タイプの選択に失敗
私達は金利タイプを選択する時に、「3年固定金利」を選びました。理由は、「3年間は金利が優遇されて〇〇%です」と当初3年の金利が低かったために、そこだけを見て決めてしまった。それからもう一つ、「このタイプが一番選ばれています」
この言葉に乗ってしまった。(愚か・・・)
ここも、やっぱり自分の頭で考えていなかった。どんな金利タイプでもいいからきちんと自分達の家計の状況やライフステージに沿った返済を考慮した上で検討をするべきでした。私達は「変動はなんか怖いけど、3年固定なら金利も低いし3年は固定だしいいかも」そんな安易な決め方をしていました。
ただ、金利の相場と言うのは常に動いているものなので、「これが正しい」と言う答えはありません。金利の高い時、低い時、変動の激しい時、激しくない時など、その時々によって有利な借り方は変わります。
金利の相場がどうであれ、借りる時にそれぞれの職業や収入、家族構成、保有資産によってどれくらいのペースで返していけるかは人それぞれです。リスクに対する許容度も人それぞれです。どの金利タイプが自分の返済能力に見合っているかは、自分で勉強して自分の頭で考えるしか無いでしょう。一つ言えることは、最後まで安全に返しきれるように考える事が大切です。
失敗その3 繰り上げ返済についての失敗
3年固定の後、もう一度3年固定を選択。この6年間の間に繰り上げ返済を何度かしました。当時の金利相場は1%を優に超えていたので、「住宅ローン控除」で税金を戻す事よりも、繰り上げ返済をして支払金利を減らす事の方が得!という風潮が一般的にあったように覚えています。その考えに間違いは無かったとは思いますが、手持ちの現金を大きく減らしてまでする繰り上げ返済は「生活防衛資金の確保」と言う意味でとても危険な行為だったなと、今になって考えれば冷や汗モノです。
一番肝心な最初の金融機関選びを人任せにしたくせに、繰り上げ返済をがむしゃらにして少しでも金利を取り戻そうだなんて本末転倒な行為でした。一番最初に可能な限り低い金利で借りられるよう勉強して行動していればそれが一番良かったのです。生活を脅かすような有事や災難に遭わず、病気もせず元気に頑張って働いてくれた夫には感謝しかありません。
失敗その4 住宅購入後の生活防衛資金をきちんと残すべきだった
繰り上げ返済の後悔と同じ理由ですが、頭金に目いっぱいの現金をつぎ込んだ事を後悔しています。
住宅購入後に生活防衛資金として現金を十分に残さなかったのは本当に愚かな事でした。稼ぎ手に万が一の事が起こっていたら、いったい私は小さな子供二人抱えてどうするつもりだったのでしょう。一家の稼ぎ頭の事故や病気というアクシデントはいつでも起こりうる事です。何らかのアクシデントにより収入が激減する、あるいは無くなるというリスクに対しての備えを持つと言う事はしておきましょう。例えば住宅購入後も生活防衛費として最低でも1年間は暮らしていけるだけの現金をとっておいて下さい。そのために借り入れ額がいくらか増えるとしてもです。これは本当にそう思います。子供が小さければ小さいほど身動きがとり辛くなりますので、1年以上の生活費を取っておくことをお勧めします。
アドバイスまとめ
15年間で2回借り換えをした私からのアドバイスはこちらです。
経済情勢は日々変わり続けていくものなので、長くローンを返済していれば状況が変わってきてもっと良い条件に借り換えできるチャンスは往々にしてあります。そういうチャンスは生かすべきだと思います。しかし、銀行を乗り換えるには沢山の手数料と手間がかかりますので、出来る限りその回数が少なく済むように最初が肝心と言う事です。
住宅を購入する年代と言えば比較的若い世代です。調べてみると30代が全体の約半分だそうです。家を買う時の色々な決断はもちろん慎重に決めているつもりでしたが、今思えば勉強が足りませんでした。住宅ローンの事について自分たちは全くの無知だったのです。よくも、あんな無謀なローンを組んだものだと、若かりし日の夫婦を叱ってやりたいくらいです。今まで何も無く、返済してこられた事に感謝をしなければなりません。そして、今から家を買いローンを組むと言う方々が少しでも安全に有利にお金が借りられますように。
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